シナリオ置き場

▼ハンドアウト
　全員共通。
　君達の元に一つの御標が下った。
『旅人達は、南の灼砂砂漠にて素敵な財宝を見つけました。めでたしめでたし』
　そんな御標に導かれ、君達は灼砂砂漠に集う。
　灼砂砂漠のとあるオアシス街から物語は幕を開ける。
　ＰＣは既に知り合い同士でも構わないし、初対面として出会うことでも構わない。

・御標の下り方は好きに決めていい。差出人不明の手紙、唐突に響いた声、通りすがりの語り部から、などなど。
・ＰＣ間で好きなように好きなだけパートナー関係を結んでＯＫ。



＜オープニングフェイズ＞

▼シーン１：冒険の始まり
　舞台は灼砂砂漠のとあるオアシスの街。
　ＰＣ達は御標に従ってここに訪れ、そして同じ目的の者同士、共に進もうということになった。
　導入についてはＧＭの演出に委ねる。たとえば酒場などでＰＣ達が初めて出会うシーンから始めても良いし、既にお互いの目的を知って合流した状態から始めても構わない。

　出発のその前に、ある程度の準備が必要だ。
　調達判定に加え、情報収集判定が行える。
（水や駱駝などのフレーバー的な調達は、判定などは必要ない。演出的に旅の道具は揃えられてＯＫ）

▽情報収集判定
・砂漠で起きることや地形について【社会】or【感応】目標値10
　成功で、ミドルフェイズのイベントを決める際、起きるイベントを見てからもう一度イベントを選び直して、どちらか任意のイベントを選択できる。

・とある噂話：【社会】or【知覚】目標値8
　こんな噂話を聞く。
「砂漠の薔薇が財宝を護ってるって噂だ」

→「とある噂話」の情報開示で、以下の情報収集判定が発生。

・砂漠の薔薇について：【社会】or【裁縫】目標値12
　巨大な薔薇のような姿をした異形が砂漠の奥にいるらしい。
　非常に強力な異形だ。気をつけるように。
　ＧＭは砂漠の薔薇が使用する逸脱能力の中から任意（もしくはダイスで選んで）で一つ、ＰＣに開示すること。

　準備が出来たら、いざ砂漠へと出発だ！

＜ミドルフェイズ＞

▼シーン２以降：Treasure Sleeping in the Sand
　ミドルフェイズは以下のイベント表を用いて進行する。
　セッション時間と相談しながら、好きなだけイベントを行うこと。
　目安は四回程度。（ＰＣ四人で一回ずつイベント表ダイスを振る）
　イベント表は以下。２ｄ６でダイスロールし、出目によってイベント発生。
　同じイベントが複数回発生した場合はダイスを振りなおしてもよい。
　ＰＣ数が１～２人の場合は、判定難易度を１～２程度下げること。
　クライマックスまでにあまりにMPやHPがカッツカツになった場合は、幕間の休憩を行ったことにしたり、キャンプで一休みするシーンを入れて回復をしたことにしても良い。イベント11が起きたことにしても良いだろう。

2:
　焔のように熱された砂嵐が一行を襲う！
　全員、【回避】で目標値12の判定を行う。
　失敗者は2d6点の《殴》ダメージ。防御点有効。カバーリング可能。
　成功者はダメージなし。

3:
　野盗がＰＣ数と同じ数だけ表れる。戦闘開始。
　野盗についてはルルブP239参照。

4:
　猛烈に暑い……気力が奪われる。
　全員、MPが1d6点減少。

5:
　凄まじい向かい風が吹き荒れる！
　全員、【肉体】で目標値8の判定を行う。
　失敗者は吹き飛ばされてしまい、HPに1d6点のダメージ。
　成功者はダメージなし。

6:
　この辺りは砂にサソリが擬態しているらしい。気をつけて進まねば……。
　【知覚】で目標値10の判定を行う。一人でも成功すればＯＫ。
　成功でサソリを発見でき、無事にサソリを避けて進むことができる。
　失敗で、ＧＭがダイスでランダムに選んだＰＣ一人はサソリに刺されてしまい、HPに1d6点のダメージ。

7:
　遥か遠くにオアシスが見える、が……？
　【意志】で目標値10の判定を行う。一人でも成功すればＯＫ。
　成功で、それが不思議な幻影であることに気付く。
　失敗で、それが幻影と見破れず、オアシス目指して歩き続けるが……当然辿り着けず、ヘトヘトになった頃にようやっと幻影と気付ける。HPかMPのどちらかを1d6点減少させること。

8:
　妖精のような見た目をした其達が話しかけてくる。けれども其達の独特の言語だ……。
　【感応】で目標値10の判定を行う。一人でも成功すればＯＫ。ただしＰＣ内に其達か童子のクラスの者がいれば、難易度が2下がる。
・成功
　其達は「喉が渇いた、水を分けてくれないか」と言っているようだ。
　水を分けてあげれば、その其達はお礼として不思議な魔法をかけてくれる。
　任意のＰＣ一人は、以降の任意のタイミングで、一度だけ達成値を+1できる。
・失敗
　其達の言っていることが分からない……。
　そうこうしていると、その其達は拗ねてしまったのかどこかへ行ってしまった。

9:
　駱駝が長く列を成す、行商のキャラバン隊と遭遇。交渉すれば、安く商品を売ってくれそうだ。
　【社会】で目標値10の判定を行う。一人でも成功すればＯＫ。
　成功で、通常の購入難易度の半分（端数切捨て）で調達が行える。
　失敗で、通常通りの購入難易度で調達が行える。

10:
　小さな小さなほつれを発見。紡ぎ手としては看過できない……。
　【縫製】で目標値9の判定を行う。一人でも成功すればＯＫ。
・成功
　ほつれは無事に閉ざされる。御標が下される。
『あるべき姿を取り戻した砂漠は、優しい風で紡ぎ手に感謝を伝え、その旅の無事を祈るのでした』
　任意のＰＣ一人は、以降の任意のタイミングで、一度だけ達成値を+1できる。
・失敗
　ほつれを上手く繕うことができなかったＰＣは最終手段として歪みを引き受けることを選択する。任意のＰＣ一人の剥離値を+1する。

11:
　小さなオアシスを発見！
　全員、HPとMPを2d6点回復する。

12:
　砂の中に、古びた宝箱が埋もれているのを発見！
　任意のＰＣ一人は、ルルブのP135~136にある「一般装備」の中からアイテムを一つを選び、所持・装備してよい。

＜クライマックスフェイズ＞

▼シーンｎ：DESERT ROSE
　砂漠を進み続けていると、突然地面が揺れて……
　砂を突き破り、巨大な薔薇型の異形――「砂漠の薔薇」が姿を現した！
　砂漠の薔薇は牙の並ぶ花弁の中から、おぞましい声で歪んだ御標を下した。
『そして、財宝を奪わんとする不届き者は、一人残らず食い殺されてしまうのでした』
　戦闘開始。

□砂漠の薔薇
　ＰＣ数やレベル、構成によってＧＭが調整して下さい。
　以下のデータはＰＣ四人、初期レベル～経験点10点程度を想定。
行動値：4
HP：100
MP：60
防御：斬4/刺4/殴4/術2/縫0
3d6+9　命中：叩き付ける茨（歪んだ幸福込み）
3d6+10 〈殴〉叩き付ける茨　ダメージ
3d6+5　命中：呪われた花粉（歪んだ幸福込み）
2d6+8 〈術〉呪われた花粉　ダメージ

【巨体】常時。「狼狽」無効。リアクションの成功数は自動的に０となる。
【無限の魔】常時。代償なしで特技使用可能。
【叩き付ける茨】メジャー/命中値/-/単体/60m
【呪われた花粉】メジャー/命中値/-/範囲（選択）/100m/〈術〉属性攻撃を行う。対象は抵抗値で回避。実ダメージを与えた対象に「邪毒１」を付与
【邪悪な砂塵】クリンナップ/自身以外の全ての存在に１ｄ６点のHPダメージを与える。このダメージでＨＰは０以下にならない。
【†瞬速行動】イニシアチブ/自身/-/即座にメインプロセス。１ラウンド１回。
【†歪んだ幸運】判定直前/自身/-/ダイスを3d6に変更。
【†幸福の壁】いつでも/範囲（選択）/至近/自身のエンゲージ内の防御修正+3d6。ラウンド中持続。逸脱能力にも有効。

　†が付いた特技は逸脱能力。

・逸脱能力回数
【†瞬速行動】2
【†歪んだ幸運】3
【†幸福の壁】2

▽行動指南
　最初のイニシアチブプロセスで【†瞬速行動】を使用。【叩き付ける茨】か【呪われた花粉】かは好きなほうを使うといい。（ＰＣが同じエンゲージにいるのなら花粉を使用したほうが難易度が上がる）
　基本的に自分の命中判定で【†歪んだ幸運】をつぎ込む。
　ＰＣからの攻撃で【憤怒の一撃】がきたら【†幸福の壁】。


＜エンディングフェイズ＞

▼シーンｎ：灼砂砂漠の財宝伝説
　砂漠の薔薇が倒されれば、砂塵となって消える。
　そして、それが生えていた場所には随分と古びた宝箱があった。
　それを開けると……。

　ＧＭは１ｄ６でダイスロール。以下の結果に従い、エンディングを迎えること。

1~2:
　……中身はカラッポだった。
『この旅の思い出こそ、何よりの財宝だったのです。めでたしめでたし』
　全員、経験点を追加で+3。

3~4:
　中身は金銀財宝ザックザク！
『古今東西のあらゆる財宝が、旅人達を出迎えたのでした。めでたしめでたし』
　全員、経験点なしで【黄金の山】（ルルブP105）をLv1で取得できる。
　既にその特技を取得しているＰＣは、【黄金の山】の特技Lvを+1。Lvが最大値の場合は、経験点+1。

5~6:
　中には伝説の逸品が入っていた！
『長旅の末、旅人は遂に至極の秘宝を発見したのです。めでたしめでたし』
　全員、経験点なしで【天下の逸品】（ルルブP105）をLv1で取得できる。
　既にその特技を取得しているＰＣは、経験点+1。