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2024 .04.27
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モノトーンミュージアム『ロスト・ロスト・モーメント』

▼演目データ
プレイヤー:一人
演者レベル:自由
セッション時間:テキセで6~8時間程度
想定難易度は「やや易~普通」です。
キャンペーンの第一話、繋ぎにもどうぞ。
※GMへ
初期経験点やPC構成によって、エネミーの性能を調整すること。


▼予告

 むかしむかし。

 あるところに、ある紡ぎ手がおりました。
 ヒッソリ暮らすその者には、小さな友人がおりました。
 二人は仲良く、小さな町で日々を過ごしておりました。

 過ぎていく日常は、特筆すべきこともない、他愛もない時間。
 ずっとずっと、こんな日々が続いていくのだと。
 確信はないけれど、漠然と、そんなものなのだと。
 二人は、思っておりました。
 
 ……終わりのないものなんて、この世に在りはしないのに。


 モノトーンミュージアム
    『ロスト・ロスト・モーメント』


 ――かくして、物語は紡がれる。



▼ハンドアウト
▽PC1『町外れの紡ぎ手』
 推奨クラス:自由
 パートナー:NPC 感情:保護
※公式NPCをパートナーにしなくてもよい。その場合、任意のものを作成して設定してよい。
===========================
 町のはずれにヒッソリと住む紡ぎ手。
 君のところには、同じ町に住むNPCの少年(少女)がよく遊びに来る。
 彼(彼女)は君に随分と懐いているようで、君自身もそれなりに情が湧いている。
===========================

▽NPC
 町に住む職工の少年(少女)。からくり作りにおいて天才的な才能を持つ。
===========================
 GM兼任PL。
 推奨クラスは職工だが、サプリ非所時の場合は「賢者」辺りをオススメする。
 名前や性別、口調などは詳しく設定していない。GMのキャラロールしやすいようにアレンジしてOK。
 PC1と同じ町に住む子供。からくり作成について天才的な才能を持っている。
(以下GM向け情報/PLには公開しないこと)
 からくり作成について天賦の才能を持っているが、舞台となる町は保守的な思想の町であり、彼の育て親を含めて誰からも理解されていない。からくり作りは神を冒涜する行為、異端者、悪魔の子と謗られている。



<オープニングフェイズ>

▼シーン1:ささやかな日
 町のはずれの小さな家。それが君の住む家だ。
 さて……そろそろ『あの子』が来る時間だ。君はどう過ごしているかな?
 軽くRPしてもらったら
 ドアがノックされる。リアクションどうぞ。

 ドアが開けばNPCがいる。
「来たぞ」
「……作ったから、これやる」からくり装置を差し出す「食器が自動で乾くやつ」
 彼(彼女)はよく君の家にこういった家電からくりを作っては持ってきてくれる。

 しばらくお家で好きに交流RP。
 NPCはPC1の家にある、作りかけのからくりの作成に着手したり、何か作って欲しいものはないか聞いたりする。
 その後、NPCが外に遊びに行きたいと話す。ちょうど君の家の近くには森があるのだ。
 曰く、発明のインスピレーション集めだとか。
「お弁当つくってもってこうよ」
 外に出れば一度シーンエンド。



<ミドルフェイズ>

▼シーン2:緑の小径にて
 麗らかな木漏れ日の射し込む森の中を、君はNPCと二人で歩いている。
 どんな風に過ごしているのかな?

 一通りRPしてもらったら
 この辺りには薬草が生えているはずだ、探してみよう。
 【知覚】or【感応】で10以上。
 成功で以下のアイテムゲット。
【星雫の花】マイナーで使用者の【MP】か【HP】を1d6点回復。使い捨て。

「へえ、これが薬草かぁ」
 NPCが薬草を発見できたら得意げに見せてくる。
 ほどなくすれば「そろそろお弁当にしない?」とNPC。
 お弁当タイムになりかけたところで以下の描写
 近くの茂みがガサリと揺れた。
 現れたのは狼だ。弁当のにおいに釣られてきたのか、それとも……。とかく、彼らは牙を剥いて飢えた目を向けてくる!

 サンプルエネミーの狼(P239)と戦闘。
 数はPCの経験点や構成で調節。おおよそ2体程度。
 戦闘が終わればシーンエンド。NPCは「戦闘用からくり作成にあたっていいデータがとれた」など発言しておこう。
 HPが削れてる場合は、【知覚】or【感応】10以上で【星雫の花】を追加で発見できて良い。
 改めてお弁当タイムしてもいいだろう。


▼シーン3:夕紅の帰路
 夕方、君たちは君の家へと帰還した。
 NPCは「今夜はおうちにとまりたい」と言ってくる。 
・なんで?
「なんとなく」
・親御さん心配しないの?
「しないよ」親についての質問についてははぐらかしたり曖昧にしたりすること。

 RPしたら、ひとまず戦闘したしフィールドワークしたりしたのでお風呂に入ればいいだろう。
 お風呂シーンを描写するかは任意。

 お風呂にて、あるいは風呂上りにて、PCはNPCの体にアザがあるのを見つける。
・どうしたの?
「あ、これ? ……さっき狼に襲われたから、そのときについたんじゃないの」
※GM情報:親からの暴力を振るわれた痕である。
 アザについて言及されてもNPCは「知らない」「どっかでぶつけたとか?」など、はぐらかし続ける。

 一通りRPしたらシーンエンド。
 ここでお泊りするので、HPMPは全快してOK。


▼シーン4:悪魔の噂
 いくつかの日々が過ぎていく。
 君は今、町の通りを歩いている。食材とか、そういう生活必需品を買いに来てる感じかな。
【社会】で10以上の達成値を出せたら、半額セールにちょうど遭遇できる。あらゆる調達難易度が半減した状態で調達判定が行える。
 さて……町を行けば、人々の話し声が耳に入ってくることだろう。
【社会】or【知覚】or【感応】で8以上。
 成功で、こんな噂話を耳にする。

「あの子……NPCのこと、聞きまして?」
「からくりばかり作っているなんて。倫理観に反している。神様への冒涜だ」
「あの反抗的な目! 何か疚しいことを考えている目だ、異端者の目だ」
「悪魔の子に違いない……異形かもしれない、伽藍かもしれない」
「おそろしい、おぞましい!」

 この町の人々はどうも保守的な者が多い。
 そんな彼等には、からくりという革新的な技術は「神への冒涜」と映るようだ。

 PCに反応してもらったら
 ……そろそろあの子が来る時間だ。家に戻るといいだろう。


▼シーン5:命の赤
 舞台はは君の家。
 いつものようにドアがノックされる。
 ドアが開けばNPCがいる。
「来たぞ」
 彼(彼女)の姿は……酷く暴行を受けたのか、ボロボロだった。
「薬ある?」 鼻血をすすりつつ
 備蓄してある救急箱があってOK。PCがそれを渡せば、彼は粛々と自分の手当てを始める。

・どうしたの?誰にやられた?何があった?
 最初は「別に……」と濁そうとするが、問い詰められたら以下(段々愚痴がヒートアップしていくイメージで)
「……馬鹿だらけでウンザリする。アンタのことじゃないよ。町の愚鈍共のこと」
「からくり作りをやめろとか、僕の技術は異端だとか」
「思考停止して、雛鳥みたいに誰かからの何かを求めてボケーッと大口開けて生きろってさ、馬鹿じゃん」
「ほんっとさ、どいつもこいつも、……死ねばいいのにな」
・咎められたら
「うるさいな! なんだよ、アンタも異端者だのなんだのって僕のことぶつのか?」
傷について 「……ちょっとキレられただけだよ、家の人間に」
「別に。これ初めてじゃないし」
「疲れた。ベッド貸して、寝る」

 ベッドに連れて行けば、NPCは倒れるように眠ってしまう。
 その寝顔は安心しているようだ。君のことを信頼しているからこそだろう。
 いくつかリアクションなどしてもらえばシーンエンド。


▼シーン6:しんぎ
 NPCはまだ君の家で眠っている。
 時間は夕方を過ぎ、まもなく夜になろうとしている。
 と、そんな時だ。君の家のドアがノックされる。
 ドアを開ければ、僧侶服をまとった人間が数人、そこに立っていた。
「こんばんは、突然申し訳ございません。我々は異端審問官でございます」
「異端者がいるとの噂がこの町にあるようでして。情報収集にご協力いただけますか?」

・NPCのことを正直に話す
 異端審問官はNPCを見せろと言う。
 彼らとNPCを合わせると、NPCは目覚めて「異端者? 僕が異形か何かに見えるの?」「からくり作り? 遊んでただけだよ」とのらりくらり話をかわし、結局異端審問官は証拠もないとのことで去っていく。

・特にNPCのことを話さない
「何か情報を得られましたら、教えてくださいませ」
 そう一礼して異端審問官は去っていく。

 異端審問官が去るとNPCは目を覚ます。
「……帰るよ。家の人が待ってるだろうし 世間体とかあるし」
「大丈夫だって。アンタこそ、血も繋がってないガキをいつまでも家に置いとくと不審者扱いされちゃうよ?」
「さっき異端審問官きてたじゃん。怪しまれないよーに無難に生きなくちゃ、でしょ?」
 と、NPCは退場する。
 引き留めるRPが上手ければ、しぶしぶPCの家に泊まる。
 シーンエンド。


▼シーン7:歪みと軋み
 その日の夜。君は眠りについているだろうか。
 紡ぎ手である君は、ふと ゾッとするような悪寒を感じた。
 直後のことだ。

『……幼き天才職工は、見事なからくりを作り上げました』
『それはたちまち命が宿り、』
『町中の人間を殺し尽くしてしまいましたとさ。めでたしめでたし』

 幼き天才職工とは、NPCのことだと想像がつくだろう。
 そして何より、この悪寒。この感覚を君は知っている。歪んだ御標だ。
 リアクションしてもらう。
 街に向かえばシーンエンド。

※NPCが泊まっていた場合
 PCが目を覚ますと彼(彼女)がいない。
 玄関のドアが開きっぱなしになっている。



<クライマックスフェイズ>

▼シーン8:シンデ
 夜に寝静まった街を探せば、町の片隅の寂しい場所にNPCがいた。
 彼(彼女)は君に背を向けて、ガチャガチャと何かを必死に組み立てている。
 歪で、不気味で、禍々しくて、敵意と憎悪を嫌なほど感じる冒涜的な造詣をしている――大型の、戦闘用からくりだった。

「……なに?」
「……御標、聞いたでしょ」
「……神様が、言ってるんだよ。馬鹿共は死ぬべきだって」
「うるさいな……邪魔しないでよ!」
「御標は絶対なんでしょ!? めでたしめでたしだって!!」

 一通りRPしたところで以下の描写
 ビリ、と絹を引き裂くような音が響く。
 それはからくりからの音。見やれば……その体に、まるで大きな口のようにポッカリと 真っ黒なほつれができていた。
 ほつれの漆黒が広がるように、からくりの色彩が失われていく。
 絶望の曇白と、虚無の漆黒――。

『町中の人間を殺し尽くしてしまいましたとさ。めでたしめでたし』

 からくりが突然動き出し、NPCに襲い掛かる。
 PCは回避値で判定。12以上でNPCの手を引いて、間一髪守ることができる。
 失敗した場合はカバーリングを認める。2d6点の《斬》属性ダメージ(防御適用可)
 カバーリングしない場合は同ダメージをNPCが受ける。

『殺し尽くし殺し尽くし殺し尽くし殺し尽くし殺し尽くし殺し尽くし殺し尽くし殺し尽くし殺し尽くし殺し尽くし殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺し殺してしまいましたとさ。めでたしめでたし』
 狂ったように歪んだ御標を吐き続ける。
【歪み:殺気充満】周囲が濃密すぎる殺気に満ち満ちる。【縫製】で達成値8以上を出さなければ、《狼狽》のバッドステータスを受ける。

 歪みの描写と判定後、戦闘開始。

※ソロシナリオのため、「戦闘不能になった場合、剥離値を3上昇させてHP1の状態で復活できる」という特殊ルールを設定してもよい。この剥離値上昇で兆候表はふらない。
 また、「剥離値を+1することで、兆候表を振り直すことができる。何度でも行使可能」というルールも追加しておくといい。

□ほつれ歪んだ殺戮人形
 PC数やレベル、構成によってGMが必ず調整して下さい。
 以下のデータはPC+データを組んだNPCの二人、経験点+30点相手に組んだもの。

行動値:15
HP:60(憤怒の一撃もちがいるなら100以上にして【†幸福の壁】を入れる)
防御:斬6/刺6/殴6/術6/縫0
2d6+13 命中+照準固定適用
2d6+15 〈斬〉断ち切る刃の腕 ダメージ
2d6+5 回避、抵抗

【無限機関】常時。代償なしで特技使用可能。
【パージ】オート/自身/バッドステータスを受けた時、自身の任意の防御値を0にすることで、そのバッドステータスを回復する。全ての防御値が0になっている場合は使用できない。
【照準固定】マイナー/自身/次のメインプロセスで行う命中判定の達成値+3。
【断ち切る刃の腕】メジャー/命中値/単体/10m/

【†神速行動】いつでも/自身/-/シーン内の任意の場所に移動。
【†瞬速行動】イニシアチブ/自身/-/即座にメインプロセス。1ラウンド1回。
【†歪んだ幸運】判定直前/自身/-/ダイスを3d6に変更。

※虚構現出、完全否定、偽りの不死など復活系をPCが持っている時のみ
【†憤怒の一撃】ダメージロール/自身/-/剥離値+3/ダメージ+8d6。装備品、アイテム、特技で軽減不可

※PCが【憤怒の一撃】を持っている時のみ
【†幸福の壁】いつでも/範囲(選択)/至近/自身のエンゲージ内の防御修正+3d6。ラウンド中持続。逸脱能力にも有効。

 †が付いた特技は逸脱能力。
・逸脱能力回数
【†神速行動】2
【†瞬速行動】1
【†歪んだ幸運】1

▽行動指南
 最初のイニシアチブプロセスで【†瞬速行動】を使用。
 マイナーアクション前に【†神速行動】でエンゲージ。その後、攻撃を行い、メジャーアクションが終了すれば再び【†神速行動】で戦闘開始時の位置へ戻る。
 最初の攻撃で【†歪んだ幸運】を使用。

 撃破されればエンディングへ。
 基本的に敗北は想定していない。PCが敗北しないようにGMは調整必須。



<エンディングフェイズ>

▼シーン9:シンジテ
 ほつれ歪んだ殺戮人形が撃破されれば、それは砕け散って塵と消える。
 正しい御標が下される。
『……二人は歪んだ運命を打ち砕きました。こうして、平和は守られたのでした。めでたしめでたし』

「全然めでたしじゃないよ、こんなの」
 NPCは落ち込んでいる。
 それに根本的な問題は何も解決してはいないのだ。この町は相変わらず保守的だし、急に連行されはしないだろうが異端審問官の影もある。
「僕、もう、からくりなんか、作らない方がいいのかな」

 PCの励ましなどで元気を出す。「怖かった」と泣き出して抱き着いたりなど。
 ひととおりRPしてもらったらシナリオエンド。
 また君達の日常に朝が来る。
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